和田亀之助写真帳異聞(PDF)~「くすの木」が「松の木」だったころ~

『和田亀之助写真帳』

 五十公野 順一氏(高27回)

100周年記念誌『くすの木』編集に携わり「和田亀之助写真帳」の稿をまとめられた五十公野順一氏(高27回)が別稿で和田亀之助について語る。

和田亀之助氏は旧制川越中学校創立の明治32年本校職員として赴任し、川越中学校一回生から始まり、当時の川越の町の風景を描写する多くの写真を残されている。100周年記念誌『くすの木』の537頁では、その写真の一部を知ることができる。しかし紙面に限りがありすべてを掲載することはできなかったとのこと。1999年発行の研究紀要36集(川越高校発行)に五十公野(いずみの)氏は寄稿し、その詳細を語られている。

明治という時代、写真そのものが驚くべきことではある。その写真にたどり着くまでの編集の苦労やその経緯を知ると、あらためて人のご縁を考えさせられる。同窓諸氏は「くすの木」を川越高校の象徴として当然のことのように仰ぎ見る。しかし、今では想像できない景色を和田亀之助は物語ってくれる。積み重ねる「くすの木」の歴史の中で、くすの木は残った、のであろうか。

「和田亀之助写真帳」(PDF)