第10回くすの木俳句大会が、平成23年8月27日(土)、母校同窓会室で開催されました。
1 一般の部
選者に、松本旭氏(中35回・「橘」主宰)、柴崎甲武信氏(高2回・くすの木会会長・「春燈」同人)、本阿弥秀雄氏(高18回・本阿弥書店代表)を招き、応募者44名、当日句会出席者26名により熱のこもった句会となりました。各選者の三光の句は次のとおりです。
松本旭氏 「応募句部門」 (天) 山百合や時計台より道岐れ 落合好雄
(地) 校風を今に素秋の樟大樹 大曽根育代
(人) 枝折り戸の開け閉め気ままに花うつぎ 齊藤弘行
「当日句部門」 (天) 稲光ブッダの言葉読みをれば 落合好雄
(地) 地動説なれど残暑の動かざる 岡部つねを
(人) うまが合ふとは葛の花真むらさき 松本 翠
柴崎甲武信氏「応募句部門」 (天) 嶺映し山女の透くる神の池 宮﨑敏昭
(地) 鳥の跡さぐりし螢いま遙か 木村麗水
(人) 筬音の漏れ来る路地や道しるべ 橋本良子
「当日句部門」 (天)湖を飛び出して咲く花火かな 江原 㐮
(地) 澄む水を空へ信濃の大水車 宮﨑敏昭
(人) 錆鮎の越後三山雲はやし 今井松子
本阿弥秀雄氏 「応募句部門」 (天)雷一発もやしのひげ根からまって 松本 翠
(地)姥捨ての齢に土用鰻かな 安斎和子
(人)三伏の闇ぐらっと来たりけり 落合好雄
「当日句部門」 (天) 秋澄むや瓦一枚づつ据わる 山崎香侑
(地) 花鳥図の薄るる杉戸秋ともし 大原絹子
(人) 遠花火おーい!そっちも寂しいか 栗原忠梨風
このほか、参加者互選を含め、今大会の高得点者は次の方々でした。
1位 穴澤光江 27点 2位 落合好雄 21点 3位 大曽根育代 20点 宮﨑敏昭
2 学生の部
現役学生から、347句投句されました。
選句者は松本旭氏、柴崎甲武信氏、本阿弥秀雄氏、松下幸夫校長、田中正同窓会会長があたりました。それぞれの選者の得点合計により、三光を決めました。
天賞 山口和輝(1-A) 10点 無機質な絵日記に咲く遠花火(7)
草の上「運んでやるよ」と風は言い(3)
地賞 小林勇貴(1-F) 8点 夜の蝉ノートを閉じて目を閉じて(7)
最高のクールビズだぜ素っ裸(1)
人賞 高波俊介(1-E) 5点 向日葵の似合う人には夢がある
秀逸賞 内山俊樹(1-A) 4点 山頂の広がる雲海浮かぶ冨士(2)
新緑の風切る列車に身を任す(2)
石井健太郎(1-C) 4点 届かない受話器のむこう夏の夜
岡田建汰(1-C) 4点 夏の夜会いたい会えないでも会いたい
三橋洋貴(1-F) 4点 黄金の光吸い込み育つ稲
岩崎紘治(1-H) 4点 松茸飯僕の茸召し上がれ