旧制川越中学校第一回卒業式は明治36年3月30日9時より挙行された。
第1回卒業生29名の進路先は以下のとおりである。
卒業したのち、卒業生が後輩たちにエールを送るのは今も昔も変わらない。
第4号の会報には卒業生から”合格体験記” のようなもの、が掲載されている。
ふたたび、一回生の岡田恒輔氏に登場していただくことにしよう。
『第一高等学校より』と記された在校生向けの便りの中に、次のような件りがあり、
身につまされる思いがする。
「・・・高等学校にて斯くの如くにしてさへ、猶ほ大學生に語学の力乏しとの議論ある日、
諸君に於いては、今一層英語に御出精の程肝要の事と奉存候。・・・」
いつの時代にあっても、多くの学生諸子が語学に悩まされていたことを知るに至り、
落涙を禁じ得ないのは、不肖の同窓子だけだろうか。
さらに受験するに際しての心構えとして
「・・・真面目に勉強さへすれば、五人に一人といふも、十人に一人といふも、
畢竟一人と一人との相撲なれば、さして困難なるものには無之由に御座候。・・・」
と後輩たちに向けて、エールを送られている。
心したいものである。
学友会会報 第4号 (明治37年4月発行)
「通信」より
『第一高等学校より』 岡田恒輔氏
さて、現役の高校生諸君は学年末考査も無事終了とのこと。
現役三年生諸君をはじめとし、これから受験を迎える人たちにおかれましては
岡田氏の言葉をお借りし
「・・・時節柄御自愛専一に御勉強の程祈上候、愚筆失禮に渉り候箇所は、何卒御容赦被下度・・・」