樋口一葉の師 「中島歌子」 のこと

 言葉の魔術師と言われる井上ひさし氏の講演会を拝聴する機会があった。

聴衆の中に高名な朗読家の幸田弘子氏の姿を見かけ、井上氏は一節披露するよう請うた。

幸田弘子氏はその場で、樋口一葉の作品『たけくらべ』の出だしのところを朗々と語られた。

居合わせた聴衆が拍手喝采をしたのは言うまでもない。一葉の作品は耳にも心地よい。

 

一葉女史は14歳の時、小石川の歌塾「萩の舎」に入門し、中島歌子女史を師と仰いで文学の道を志したのはよく知られるところである。

坂戸の出身といううわさがあった歌子女史の書状は、平成17年、坂戸市森戸の中島孝充氏(高10)宅で発見され、その確証が得られた。

そのいきさつを「中島歌子を顕彰する会」の関口章夫氏が中心となって『一葉を育てた中島歌子の生涯』としてまとめられた。

さらに平成29年には『中島歌子誕生の地』の記念碑が建立され、郷土の歌人を『中島歌子への想い』として中島幸男氏(高13回)がまとめられた。

中島歌子の生涯と萩の舎での樋口一葉(夏子)との出会いなどにふれられている。

 

IMG_0001『一葉を育てた中島歌子の生涯』(表紙)

IMG『中島歌子への想い』(表紙)

 

● 記念碑(坂戸市森戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

● 明治23年頃、一葉が住んだ菊坂辺りの旧居跡と堀切井戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 井上ひさし戯曲『頭痛肩こり樋口一葉』リーフレット (こまつ座)