第16回くすの木俳句大会開催

平成29年8月26日(土)、卒業生や母校関係者など述べ41名、在校生は296名が参加しました。

選者として、柴崎甲武信氏(中48・「春燈」同人)、本阿弥秀雄氏(高18・本阿弥書店顧問)があたりました。

在校生の選句は、両氏の他、菊池同窓会長、青木校長も加わりました。

参加者の主な作品

「卒業生の部」

風鈴や昭和を残す理髪店      村田のぼる(中41)

星とぶやあなたはここを離れずに  斉藤弘行(高3)

久し振り菓子屋横丁梅雨晴間    桃井良之(高3)

小梨咲く我が青春の上高地     宮崎見昭(高3)

雲の峰小江戸を走る女車夫     深見雨牛(定3)

浴衣着て胸に川風持ち帰る     橋本壮一(高8)

空海の曼荼羅思ふ星月夜      中村誠佑(高11)

麦秋やどっしりと座す仁徳陵    長島たけし(高13)

水中花いまだ野の風知らざるや   岡部つねを(高15)

手花火のにんげん臭き火を放つ   小林幸二(高17)

上出来の南瓜ぶらさげ農仕舞ふ   関口高栄(高17)

長き夜のしばらく耳になっている  東金夢明(高19)

蔵町やあじさいの花さけびけり   大嶋文昭(高20)

ふたつみつ昔がたりや蓮の花    栗原由郎(高21)

苦しみの種捨てきれず大西日    勝浦敏幸(高21)

胎内は螺旋階段南風吹く      市川英一(23)

「在校生の部」

(天)ペダル踏む坂道のぼる雲の峰 羽尻圭吾(1・G)

(地)炎中においてけ堀の水溜り  豊田絋之(1・D)

(人)蟻地獄なにかを容れてみたくなる 渡邊寛樹(1・D)

(人)小江戸にも浴衣溢れる時期来たり 小林大介(1・F)

(特選)灼熱のコートで決めたあの一点 安藤太一(1・B)

祭の夜耳をすませば恋の音   鈴木倫太郎(1・B)

木の皮を無心にはがして百日紅 加藤 駿(1・B)

風死す日ポケットで茹る飴一つ 豊田紘之(1・D)

思い出の数だけ映える夏の星  野澤供矢(1・E)

闇深くむざしく匂ふ月下美人  高津 颯(1・G)

(秀逸)網戸越し体育座りで庭見つめ  峰岸航生(1・A)

炎天の下に滴る我が軌跡    阿部侑生(1・D)

炎天はサドル焦がして我急かす 青木大地(1・F)

闇に咲き浴衣の君に空ふるる  水谷友哉(1・F)

指触れて空しか見れぬ星月夜  伊藤侑将(1・G)

雫落ち朝日に照るるカタツムリ 服部泰史(1・G)

「関係者の部」

香水やミラノ発つ片道切符   安倍衣世

田を渡る風が稲穂に光生む   有山光子

若竹や身に馴染みたる紺スーツ 安斎和子

何事も素直に受けて青薄    今井松子

秋海棠の雫捉へしカメラマン  大原絹子

また一つ蝉の生まるる地球かな 落合好雄

清流の底までとどく夏夕焼   片山茂子

小言めき野鳩なきたる朝曇り  金古富士夫

走り根に缶の朽ちゆく滝の径  小峯知治

桐に華晩鐘の音の高みまで   坂本むつ子

湖は大きな器月今宵      関口幹雄

数行で終はる日記や星涼し   内藤紀子

秋風の真ん中を来る一輪車   橋本良子